糖尿病の初期段階〜危険レベルまで

糖尿病の進行具合は、空腹時の血糖値、尿アルブミン値、血清クレアチニン値の3つの検査で分かります。

糖尿病の初期の段階である「境界型」は、糖尿病の診断基準でも述べたように、空腹時血糖値が110以上126未満で、ブドウ糖負荷試験で60分後の血糖値が180以上、120分後に140を以上200未満の場合です。

ブドウ糖負荷試験という新しい言葉が出てきましたが、ブドウ糖負荷試験というは、75gのブドウ糖を摂取して60分後、120分後に血糖値を測ります。

正常な人ならば、60分後、120分後には速やかに血糖値が下がっていますので糖尿病患者と正常な人との差が明確になります。

もし空腹時血糖値で高い値が出たらできるだけこのブドウ糖負荷試験を行う方がよいでしょう。

なぜなら、境界型でも、糖尿病の人と同じように脳梗塞や心筋梗塞の危険度が高いからです。

境界型なのか、それとも正常なのかをはっきりさせておくことで、さまざまな危険から自分を守ることになります。

糖尿病にかかっているけれども合併症の症状は出ていない場合は、血糖値126以上、ブドウ糖負荷試験で120分後の値が200以上の場合です。

糖尿病の最も怖い合併症の進行状況を知る

さて、糖尿病が確定したら、次に尿アルブミン値、血清クレアチニン値の検査が必要となります。

この2つの検査では、糖尿病合併症の進行具合を知ることができます。

糖尿病にかかった時に、本当に恐ろしいのは神経、眼、腎臓などに異常が出てくる糖尿病の合併症です。

糖尿病の治療の目的は、糖尿病合併症を起こさせないことと、進行させないことにあるのです。

尿アルブミン値が18以上300未満になると、糖尿病腎症が出てきたことが分かります。

ただ、この段階でも、まだ自覚症状はありません。また、このころになると目にも合併症が出始めます。是非、眼科で診察を受けてください。

合併症が進んでいくにつれて、尿アルブミン値、血清クレアチニン値が上がっていきます。

さらに、糖尿病合併症が進むと尿にタンパクが出始め、腎不全の状態にまで進んでいきます。

ここまでくると合併症はもう治りません。

その上、クレアチニン値が8以上になると人工透析が必要となり治療にかかる費用も高額になってきます。