血糖値で簡単に糖尿病を判断できます。

糖尿病が危険な病気とされる要因の1つが、初期の糖尿病にはほとんど症状が無いということです。

そのため糖尿病は、定められた診断基準によって診断されます。

糖尿病の診断基準は、世界で統一されています。

検査では、採血し血糖値を測定しますが、前日夜から10時間以上絶食して、翌朝採血したときの空腹時血糖値が126mg/dl以上、もしくは随時(食事時間を考えないで行う)血糖値が200mg/dl以上ならば糖尿病と診断できます。

正常値は110mg/dl未満とされていますので、110mg/dl以上126mg/dl未満の場合は境界型といわれています。

【糖尿病の診断基準早見表】

健康状態 血糖値

正常値

110未満

境界型

110〜126

糖尿病

126以上

糖尿病は、大変難しい病気ですので、できれば日本糖尿病学会が認定している糖尿病専門医の診察を受けるようにしましょう。

微妙な境界型の場合はブドウ糖負荷検査が必要

境界型の人が正常か糖尿病かを診断するために行われるのがブドウ糖負荷試験です。

その方法は、空腹時血糖を測定したあと、ブドウ糖75gを飲みます。

その後決められた時間(通常は、1時間後と2時間後)に採血して血糖値を測定します。

空腹時の値が110mg/dl未満、2時間後の値が140mg/dl未満であれば糖尿病ではありません

一方空腹時が126mg/dl以上、2時間後の値が200gm/dl以上だと糖尿病と診断されます。

【ブドウ糖負荷検査の診断基準】

状態 0分 120分後 注釈

正常値

110未満

140未満

両方満たすと正常です。

糖尿病

126以上

200以上

いずれか一方でも満たすと糖尿病です。

境界型

正常でも糖尿病でもない場合には境界型となります。

ブドウ糖75gといえば、料理に使う計量スプーンで測ると実に大さじ5杯。このように大量なブドウ糖を摂取しても、正常な人は血糖値が上がると即座にインスリンが分泌され、140mg/dl未満に抑えられます。

一方、糖尿病患者はブドウ糖負荷試験後、時間が経っても血糖値が下がりません。

これを耐糖能低下状態といい、糖尿病患者の典型的な症状です。

血糖値は食事を取ったタイミングやその質、量に影響され変動してしまうので、現在ではヘモグロビンA1cの値が重視されています。

ヘモグロビンA1cは、糖分とヘモグロビンが結びついたものです。

ヘモグロビンA1cの値が6.1パーセント以上の場合は糖尿病と診断されます。

ヘモグロビンA1cの値は1カ月から2カ月の間の血糖値平均が分かるために、正確な診断をする場合にはとても重要です。

また、糖尿病合併症の進行具合を調べるためにも使われます。